← 育て方ガイドへ戻る

OLIVE CARE GUIDE

オリーブの農薬の選び方と使い方

農薬は、症状だけで選ばず、害虫または病気を特定し、使用当日に製品ラベルと最新の登録内容を確認して使います。

オリーブ園ハーモニー 更新:2026年9月15日
農薬を使う前の原則

作物名が「オリーブ」、またはオリーブを含む「果樹類」で、対象の害虫・病気が一致する製品を使います。ただし、その製品に個別の「オリーブ」登録もある場合は、個別登録の濃度・量・時期・回数を優先します。

農薬を使うときに守ること

農薬は製品ごとに、使える作物・病害虫・量・方法が決まっています。使用する前に、ラベルと最新の登録内容を確認します。

確認する項目守ること
使える作物オリーブ、またはオリーブを含む果樹類への登録がある製品を使います。両方の登録がある場合は、オリーブの個別条件を優先します。
対象の害虫・病気防除したい害虫・病気が、製品の適用対象に含まれるか確認します。
使用量・希釈倍率計量器で水量と薬量を量り、指定された量と倍率を守ります。濃すぎると薬害、薄すぎると効果不足につながります。
使用時期収穫予定日から逆算し、収穫何日前まで使えるかを確認して、その期限を守ります。
使用回数その製品の使用回数と、同じ有効成分を含む薬剤の総使用回数を守ります。
使用方法散布・樹幹散布・土壌処理など、登録された方法で使います。

症状から選ぶ、具体的な製品名

2026年9月14日時点で、農林水産省「農薬登録情報提供システム」のオリーブへの適用を確認した製品です。まず害虫・病気を見分け、該当する行から製品を選びます。商品名が似ていても登録内容は同じとは限らないため、購入時と使用当日に登録番号まで照合してください。

困っている症状・対象製品名(登録番号)登録内容の要点
幹元の穴・木くず/オリーブアナアキゾウムシホクコースミチオン乳剤(4991)50倍、0.3~3L/樹、収穫21日前まで、3回以内、樹幹散布
オリーブアナアキゾウムシ・カメムシ類・ハマキムシ類アディオン水和剤(15966)2000倍、200~700L/10a、収穫7日前まで、2回以内、散布
オリーブアナアキゾウムシ/希釈せず使う家庭園芸用スプレーガーデンアシストVスプレー(23197)原液のまま散布、収穫前日まで、2回以内
葉や枝に付くカイガラムシ類トランスフォームフロアブル(24016)2000倍、200~700L/10a、収穫7日前まで、2回以内、散布
実や葉に出る炭疽病クプロシールド(23927)500~1000倍、200~700L/10a、発病前~発病初期に散布

「果樹類」登録も確認する

オリーブは、作物群「果樹類」に含まれるため、果樹類に登録された農薬も使用できる場合があります。東京都の2026年度防除指針では、炭疽病に対する具体例としてアミスター10フロアブル(1000倍)とペンコゼブ水和剤(600倍)が示されています。ICボルドー66D、トップジンM水和剤なども候補として掲載されています。

同じ系統の農薬を続けて使わない

同じ有効成分や同じ作用機構の農薬を繰り返すと、その薬が効きにくい病害虫が残り、薬剤抵抗性・耐性が発達することがあります。商品名が違っても、作用機構が同じ場合があるため、名前を替えるだけではローテーションになりません。

  • 殺虫剤はIRACコード、殺菌剤はFRACコードを製品ラベルや製造元資料で確認する
  • 同じコードの薬剤を連続して使わず、異なる作用機構を組み合わせて計画する
  • ラベルの使用回数内でも、必要のない予防散布や短い間隔での反復を避ける
  • 捕殺、被害葉の除去、清掃、風通しの改善など薬剤以外の対策も併用する
  • 適切なローテーションが分からない場合は、使用履歴を伝えて製造元や指導機関へ確認する

散布までの手順

  1. 1

    症状と原因を確認

    木全体、葉の表裏、幹元を見て、虫や病斑の特徴から原因を絞ります。小さくて見分けにくい場合は拡大して公的機関の写真資料と比較します。種類を絞れないまま薬剤を選びません。

  2. 2

    薬剤を使わない対処

    捕殺、被害葉や落ち葉の除去、風通しの改善、鉢の隔離で抑えられるか判断します。

  3. 3

    登録内容を照合

    冒頭の表に沿って、使う製品のラベルと最新の登録内容を照合します。

  4. 4

    必要量だけ散布

    保護具を着け、風雨と高温を避け、ラベルで指定された部位へむらなく散布します。

希釈計算には「農薬希釈くん」

Harmonyでは、ラベルで確認した希釈倍率から必要な薬量を計算する補助として、バイエルのアプリ「農薬希釈くん」を使っています。iPhone版とAndroid版があり、散布液量と希釈倍率を入力して必要量を確認できます。

  1. 1

    作る液量と希釈倍率を入力する

    作りたい散布液の量と、ラベルで確認した希釈倍率を入力します。

  2. 2

    表示された薬量を量る

    計算結果の単位を確かめ、計量器で薬剤を正確に量ります。

  3. 3

    製品の手順に従って薄める

    水と薬剤を入れる順序などは、製品の表示に従います。

希釈と散布の実際

作業具体的な方法
薬液を作るその日に使う量だけ計算し、計量器で量って薄めます。目分量や濃いめで作らず、余った薬液を翌日に使いません。
散布する日を選ぶ風の強い日、雨が降る直前、真夏の日中を避けます。
保護具を着ける手袋、長袖、保護眼鏡など、ラベルで指定された保護具を使います。
対象の部分へ散布する製品で指定された部位へむらなく散布します。葉裏の害虫が対象なら、葉裏にも薬液が届くようにします。
周囲への飛散を防ぐ周囲に人やペットがいないことを確かめ、洗濯物、池・水路、隣の作物に薬液がかからないようにします。

散布後に確認すること

時期見るところ判断
当日~翌日葉焼け、急なしおれ、周囲への飛散異常があれば追加散布を止め、製品窓口へ製品名・倍率・天候を伝える
3~7日後生きた虫、新しい食害、病斑の拡大古い傷が残ることと、新しい被害が増えることを分けて見る
次回散布前ラベルの散布間隔、使用回数、対象の残存効かないからと間隔を縮めたり濃くしたりしない

実や葉を利用する場合

実に使える農薬でも、葉を茶や食品として利用できるとは限りません。利用する部位、収穫予定、使用方法を製造元や最新の登録情報で確認します。葉利用を確認できない場合、その葉は食用にしません。

使い切れない薬液と容器

散布液は必要量だけ作ります。余った薬液、洗浄水、空容器は、製品ラベルと自治体の案内に従って処理し、排水口、河川、水路へ流しません。子どもやペットの手が届かない、食品と分けた施錠場所で保管します。