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OLIVE CARE GUIDE

オリーブの肥料の与え方

肥料は、元気に育つ木の生長を助けるものです。弱った原因を治す薬ではありません。量を増やさず、根が養分を吸収する位置へ適量を与えます。

オリーブ園ハーモニー 更新:2026年10月31日
肥料で最も大切なこと

健康な木に、必要な養分を適量補います。肥料を選び、時期と木の状態を確かめ、表示量を守って与えましょう。しおれや急な落葉がある木は、施肥より原因の確認を優先します。

肥料の成分と働き

肥料は、枝葉や根、花や実の生育に必要な養分を補うために与えます。袋のN・P・Kは窒素・リン酸・カリを表し、数字は含まれる成分の割合です。まず、それぞれの働きを押さえましょう。

表示・成分主な働き不足・過剰を疑う前の注意
窒素(N)葉や枝の生育を支える多すぎると枝ばかり伸びやすい。日照不足でも同じように徒長する
リン酸(P)根、花、実の生育を支える花が咲かない原因は樹齢、日照、剪定、受粉などもある
カリ(K)水分調節や木の充実を支える葉先枯れは水切れ、根傷み、強風でも起こる
苦土(Mg)葉緑素の材料。葉の緑を保つ古い葉の葉脈間が黄化する場合に候補となるが、根詰まりやpHも確認する
微量要素(鉄・マンガン・亜鉛・ホウ素など)少量で新芽、葉、花などの生育を支える必要量はごく少ない。単独資材を自己判断で重ねると過剰障害が起こり得る

肥料の種類と選び方

肥料を選ぶときは、効く早さと持続期間、含まれる成分、与え方を確認します。主な種類と、オリーブに使う際のポイントを紹介します。

化成肥料・有機質肥料の違い

種類特徴鉢植えで気をつけること
化成肥料化学的な製造工程を経て複数の肥料成分を含ませた肥料。成分量を把握しやすく、速効性も緩効性もある『化成=強すぎる』『化成=すぐ効く』ではない。成分濃度と表示量で判断する。
有機質肥料油かす、魚かす、骨粉など動植物由来の原料を使う。多くは分解されてから養分が利用される有機質でも多すぎれば根傷みの原因になる。原料や環境によって臭い、カビ、虫が生じるため、ベランダでは置き場所も考える。
有機入り肥料有機質原料と無機質の肥料成分などを組み合わせた製品。成分と効き方は商品ごとに異なる『有機入り』だけで安全性や持続期間を判断せず、保証成分と使用方法を読む。

速効性・緩効性・遅効性の違い

種類どのように効くか使い方と注意
速効性肥料水に溶けて利用される成分が比較的早く効く。液体肥料や速効性の化成肥料など生育中の追肥に使う。濃度や量を増やすと根を傷めるため、希釈倍率と間隔を守る。
緩効性肥料肥料成分が少しずつ利用され、一定期間効き続ける。被覆したもの、溶けにくい成分を使ったものなどがある元肥または置き肥など、製品の指定に合わせる。長く効く製品ほど、残っている間の追加施肥に注意する。
遅効性肥料施してから効き始めるまでに時間がかかる。有機質肥料の多くは微生物による分解を経て利用される気温や水分で効き方が変わる。まだ効いていないように見えても、短期間に追加しない。低温期は分解が進みにくい。

固形肥料と液体肥料

種類使い方注意
固形肥料置き肥用は土の表面へ置き、元肥用は表示に従って土へ混ぜる。速効性も緩効性もある効く期間を表示で確認し、残っている間の追加量に注意する
液体肥料希釈用は表示倍率に正確に薄める。そのまま使う製品は薄めず、指定された間隔で与える濃くしない。乾き切った根や弱った木へ与えない

元肥と追肥を分けて考える

元肥は植え付け・植え替え時に土へ入れておく肥料、追肥は生育中に後から与える肥料です。市販培養土には元肥入りの商品があり、購入苗の土にも肥料が残っている場合があります。

使う土・苗植え替え時の判断その後
元肥入りと表示された培養土別の元肥を追加しない表示された持続期間が過ぎ、木が生育してから追肥を判断
元肥なしの用土使う肥料が植え付け・植え替え時に使用できるか製品表示を確認使用できる場合だけ表示量を土へ均一に混ぜる
購入苗で施肥歴が不明元肥や追肥を追加せず植え替える新芽が動き、土が通常の速さで乾いてから追肥を検討
根腐れ・根傷みがある元肥を入れない新しい根と新芽の回復を確認するまで追肥しない

オリーブに使う肥料の選び方

普段の管理には、少しずつ長く効く緩効性肥料が使えます。生育中に短い間隔で量を調整したいときは液体肥料を選びます。植え付け時は元肥用、土の表面に置くなら置き肥用を使います。

いつ使うか使う肥料与え方
元肥の入っていない土に、元気な苗を植えるとき元肥用の緩効性肥料植え付け時に使える製品を選び、表示量を土へ均一に混ぜます。元肥入りの培養土なら追加しません。
元気に育っている鉢植えに、普段の肥料を与えるとき置き肥用の緩効性肥料鉢の大きさに合う表示量を土の表面に置きます。次に与える時期は、その製品の使用間隔に従います。
生育中に、肥料の量や与える間隔をこまめに調整したいとき液体肥料薄める製品は表示倍率に薄め、指定の間隔で与えます。固形肥料が効いている間は、液肥を一回分そのまま上乗せしません。
しおれ、急な落葉、根傷みがあるとき肥料を与えない土が乾いていれば水を与えます。土が湿っているのにしおれる場合は追加の水や肥料を止め、排水や根の傷みを調べます。

季節ごとの施肥の目安

関東平地の目安です。春・初夏・秋は、枝葉が育つ時期に肥料を与えます。ただし、前に与えた肥料の使用間隔が過ぎていなければ追加しません。月だけで決めず、次の表で木と土の状態も確認します。

季節与えるか・待つか与えるタイミング
春(3~4月ごろ)新芽が伸び始めたら与える寒さが続き、新芽が動いていない間は待ちます。
開花後~初夏(5~6月ごろ)枝葉や幼果が育つ時期に与える前回の施肥から、その製品の使用間隔が過ぎていれば追肥します。肥料が効いている間は追加しません。
真夏の高温期追加の肥料は控える暑さによるしおれに、肥料を足して対処しません。
秋(9~10月ごろ)暑さが収まり、新芽や枝が再び伸びたら与える前の肥料が効いている間や、生育が止まっている場合は追加しません。
冬の生育が止まる時期基本は与えない春に新芽が伸び始めるまで待ちます。

今、肥料を与えてよいか

季節が施肥に向いていても、水切れや根傷みがある木には与えません。下の『与える』は、前回の施肥から製品指定の間隔が過ぎていることが前提です。

判断木と土の状態すること
与える新芽や枝が伸び、急なしおれ・落葉がなく、水やり後の土も徐々に乾く鉢や木の大きさに合う量を与えます。元肥や置き肥がまだ効いている場合は上乗せしません。
待つ土の中まで乾き、水切れでしおれているまず水を与えます。しおれが戻り、生育が再開してから施肥します。
待つ植え替えで根を切った・崩した直後、または購入苗の施肥状況が分からない追加せず、新芽の伸びと土の乾きが戻るのを待ちます。元肥を入れていれば、その使用間隔より早く追肥しません。
与えない土が湿っているのにしおれる、土が長く乾かない、腐ったような臭いがする追加の水と肥料を止め、受け皿の水・鉢底の排水・根の傷みを調べます。
与えない黄葉・しおれ・落葉が急に増えた、施肥後に葉先が枯れた肥料を足さず、水切れ・根傷み・肥料焼け・害虫の有無を調べ、原因を処理します。

鉢植えと地植えの違い

育て方与える位置と注意
鉢植え鉢の直径に対応する表示量を守り、固形肥料は株元を避けて鉢の縁寄りへ数か所に分けます。幹や露出した根へ直接触れさせません。
地植え株元へ山盛りにせず、吸収を担う細根が広がる枝先の真下付近を目安に、円周上へ分けて施します。元気な成木では施肥が不要な場合もあります。
肥料を置く位置株元へ集中させず、水や養分を吸う細根が広がる範囲へ分けて与えます。
幹の近くへ集中させない鉢の縁寄りに分ける枝先の下付近へ分散

見る場所と作業の模式図です。実物の形・色・大きさには違いがあります。

01 / 避ける

幹のすぐ近く

株元へ山盛りにせず、幹や露出根へ触れさせない

02 / 鉢植え

鉢の縁寄りへ分ける

土の表面数か所に、表示量を均等に置く

03 / 地植え

枝先の真下付近へ

根の先端と細根が広がる範囲を目安に分散

量を間違えない手順

  1. 1

    製品表示を読む

    対象植物、鉢の直径または木の大きさ、1回量、使用間隔を確認します。

  2. 2

    一種類だけ量る

    付属スプーンや計量器を使い、目分量や一握りで増やしません。

  3. 3

    根の先端付近へ分ける

    鉢は縁寄り、地植えは枝先の真下付近を目安にし、株元を避けて数か所へ分散します。

  4. 4

    記録する

    日付、製品名、量を書き、次回は表示された間隔より早く追加しません。

苦土・微量要素を補うとき

葉が黄色いだけでは不足成分を決められません。成分が土にあっても、根傷み、過湿、低温、土のpHによって吸収できないことがあります。新しい葉か古い葉か、葉脈まで黄色いか、木全体か一部かを確認し、土の乾湿と根詰まりを先に調べます。地植えで同じ症状が続く場合は、土壌pHや土壌分析を確認してから補正します。

  1. 1

    葉を見分ける

    新葉・古葉、葉脈・葉脈間、木全体・一枝だけのどこに出ているか確認し、原因候補を絞ります。

  2. 2

    根と水を確認する

    鉢の重さ、土が乾くまでの日数、鉢底穴、異臭を確認します。

  3. 3

    使った肥料を確認する

    肥料袋のN-P-K、苦土、微量要素の表示と、施肥日・量を記録します。

  4. 4

    必要な場合だけ補う

    葉分析などで不足と補給量を確認し、必要な成分だけを表示に従って補います。複数資材を同時に足さず、新しい葉と生育を観察します。

土とpHの確認方法を見る →

与えすぎた可能性があるとき

肥料の濃度や量による根傷みを疑い、追加施肥を止めます。

この症状の図・原因・対処を読む →
参考資料