根からの吸水が葉から失われる水分に追いつかないと、急な水切れでも根傷みでも似た症状になります。鉢土の中の乾湿と履歴から、水の不足、根の吸水不良、高温・乾いた風による負担を切り分けます。
緑のまま葉が丸まり乾く
急な水切れ・根の吸水不良・高温や風を、土の中と履歴で確認します。
形と位置を比べる模式図です。実物の色・範囲には違いがあり、原因の確定には使えません。
しなやかか、硬く乾くか
丸まりだけで根の異常と決めない
根鉢の中心まで確認
周囲が湿っても中心が乾く場合がある
水・根・高温・風
急な乾燥でも根傷みでも起こる
考えられる原因と、原因別の対処
当てはまる手掛かりから原因を絞り、対処を選びます。複数の原因が重なることもあります。
01急速な水切れ
根鉢の水が不足し、吸水が葉から失われる水分に追いつかなくなります。
- 見分ける手掛かり
- 中心まで乾く、鉢が軽い。高温・乾いた風や給水の遅れと重なる。
- この場合の対処
- 乾いた根鉢へ十分給水し、寒冷紗などで強い西日を一時的に遮る。
02根の食害・損傷・酸欠
土に水があっても、根が減ったり働けなかったりすると葉へ水が届きません。
- 見分ける手掛かり
- 湿るのに乾く葉、株元の不自然な揺れ、幼虫、根の崩れ。
- この場合の対処
- 湿る土へ給水や肥料を重ねず、排水と根・幹元を確認する。必要な処置を絞る。
03高温・強風による水分損失
根の異常がなくても、強い日差しや乾いた風で水分の損失が増えます。
- 見分ける手掛かり
- 風・西日に当たる面や鉢が強く熱くなった後。
- この場合の対処
- 西日側に寒冷紗・遮光ネットを張り、風の直撃を避ける。土の乾湿に合わせて給水する。
確認・作業のチェックリスト
まず見るところ
- 葉が硬く乾いているか
- 鉢土の中まで乾くか、湿るか
- 根の食害や根鉢の揺れがないか
対処の順番
- 乾いている場合に十分給水
- 湿っている場合は追加の水・追肥を止める
- 新たな枯れ込みと芽の動きを確認
具体的な確認・作業手順と注意点
丸まり方と硬さを確認する
- 葉がしなやかに巻いているか、カサカサに硬く乾いているか。
- 一部の枝だけか、木全体へ広がっているか。新葉・古葉のどちらか。
- 葉に糸、ふん、虫体、かじった跡があれば、食害の確認も行う。
- 軽く曲げるだけで割れる葉と、弾力のある葉を区別する。確認のために何枚も折らない。
急な乾燥でも、根の異常でも起こる
根が健全でも、鉢土が急速に乾いたり、高温や乾いた風で水分の損失が増えたりすると、吸水が追いつかなくなります。反対に、土に水があっても根の食害・損傷・酸欠などで吸えなくなることがあります。アルボサナという品種や葉の丸まりだけで原因を決めません。
土が乾く場合と湿る場合で対処を分ける
| 状態 | 確認すること | 対応 |
|---|---|---|
| 土の中も乾き、鉢が軽い | 根鉢の中心だけ乾いていないか。水が隙間を通って流れていないか。 | 十分に給水し、鉢底から排水するか確認。給水後も乾いた中心が残るなら用土と根鉢の状態を見直す。 |
| 湿ったまま、葉が乾く | 排水穴、受け皿、異臭、根の傷み、根の食害。 | 受け皿の滞水を除き、湿っている間の追加給水と追肥を控える。根鉢中心の乾燥や高温による一時的なしおれも切り分け、続く場合は根を確認する。 |
| 晴天・高温・乾いた風の後 | 鉢の熱、風が当たる面、夕方の葉の状態。 | 強風・強い西日を一時的に避ける。急な強剪定・根切り・施肥を重ねない。 |
| 植え替えや鉢の転倒の後 | 根鉢の揺れ、根切れ、幹元の傷。 | 根鉢を安定させ、乾湿に合わせて給水。頻繁に鉢から抜いて確認しない。 |
根と幹元も確認する
土が湿るのにしおれが続く、株元が不自然にぐらつく、急に広い範囲が乾く場合は、根と幹元も調べます。根を食べる幼虫や根腐れなどでも水を吸い上げにくくなります。
Harmonyのアルボサナで見た経過
Harmonyのアルボサナでも、葉が緑のまま丸まり、そのまま乾く経過がありました。鉢内でコガネムシ類の幼虫を確認した記録と、対処後に新芽が動いた記録があります。
回復を見る目安
乾いた葉が緑へ戻るかではなく、症状が広がらないか、残った葉に弾力があるか、新芽が動くかを同じ場所から撮影して確認します。枝まで乾き込みが進む場合は、土の中の乾湿と根の傷み、幹の食害を再確認します。
ほかの葉の症状と見比べる →