一年を通して日が当たること、雨の翌日まで水が溜まらないこと、成木になった時の枝張りを確保できること。この3点を植える前に確認します。植え付け直後は、鉢から抜いた土と根のかたまりを乾かさず、風で揺らさないようにします。新しい根が周囲へ伸びた後は、水を与えすぎません。
最初に知っておきたい言葉
- 根鉢(ねばち)
- 鉢から苗を抜いたときに、土と根が一緒にまとまっている部分。植え付け時は、このかたまりを乾かさず、崩しすぎない。
- 活着(かっちゃく)
- 植えた木から新しい根が周囲の土へ伸び、木がぐらつかず育ち始めた状態。
- 幹元(みきもと)
- 幹と地面が接する境目。穴、木くず、樹皮の傷を確認する場所。
- 深植え
- 苗を低く植えすぎ、幹の付け根まで土で埋めること。
苗を迎えた当日から植え付けまで
- 1
屋外の明るい場所で休ませる
届いた苗は、強風と急な強光を避けた屋外へ置きます。店内や日陰から来た苗は、数日かけて日差しへ慣らします。
- 2
根鉢の湿りを確認する
届いたからと反射的に水を与えず、鉢土の中と鉢の重さを確認します。乾いていれば鉢底から流れるまで与えます。
- 3
苗の状態を撮影する
木全体、葉の表裏、幹元、鉢底を撮ります。枝折れ、斑点、虫、根詰まりがないか確認します。
- 4
植え付け日を決める
猛暑、凍結、長雨、強風の予報を避けます。苗が水切れや輸送で弱っている場合は、状態が落ち着いてから植えます。
植える場所を決める
- 建物や常緑樹で冬に日陰にならないか確認する
- 大雨の翌日に水が残る低い場所を避ける
- 塀、建物、道路、隣地との距離を取り、将来の枝張りと剪定場所を確保する
- 落果や花粉、落葉を掃除できる動線を確保する
- 強風が抜ける場所では支柱と防風方法を先に考える
植え付けに向く時期
関東平地では厳しい寒さが過ぎた春が取り組みやすい時期です。暖地・寒冷地、苗の大きさで調整し、猛暑期、凍結期、長雨が続く時期は避けます。秋植えは、冬までに根が落ち着く期間を取れる地域・時期に限ります。
植え付けと支柱
根と土のかたまりの上面を、周囲の地面と同じか少し高くして植えます。植えた後は十分に水を与え、幹を軽く揺らすと根鉢まで動く場合は支柱を立てます。

鉢植え
鉢では根を避け、鉢壁の内側に沿わせて支柱を入れます。
八の字結束
幅のある柔らかい資材で、幹と支柱がこすれないように留めます。
地植え
根鉢を突き刺さず、その外側の固い地面へ支柱を立てます。
- 幹の付け根まで土で埋めない
- 根と土のかたまりを必要以上に崩さない
- 支柱は根鉢を突き刺さない位置へ安定する深さまで立てる
- 幅のある柔らかい結束材で八の字に留め、食い込みを毎月確認する
植え付け後の水やり
| 段階 | 判断 | 管理 |
|---|---|---|
| 植え付け直後 | 根鉢と周囲をなじませる | 植え付け時に十分給水 |
| 活着まで | 根鉢の中と周囲の乾きを確認 | 乾いたら根鉢全体へ。雨量だけで決めない |
| 新芽が安定した後 | 長い乾燥や猛暑時に確認 | 通常は自然降雨を基本とし、習慣的な給水を減らす |
活着したかを判断する
活着を確認してから、植え付け直後の水やりを徐々に減らします。
- 新芽が伸び、葉色が安定している
- 幹を株元近くで軽く支えても、根鉢が地面の中で動かない
- 水やり後の沈下や傾きがない
- 根鉢と周囲の土で乾き方の差が小さくなった
肥料の与え方
植え付け直後には与えません。新芽が伸び、根が周囲の土へ広がってから、オリーブ用または果樹・花木用を一種類、製品表示の量で与えます。
- 幹のすぐ近くへ肥料を集中させない
- 弱っている時は施肥せず、根・排水・幹元を確認する
- 施肥日、製品名、量を記録する
剪定
地植えでは、枝が隣地や建物へ届く前に、毎年保ちたい高さと幅を確認します。若木は切りすぎず、枯れた枝や、枝同士がこすれる部分から少しずつ整理します。
- 高所や太い枝は自分で切らない
- 実を付けたい木は前年に伸びた枝を一律に切らない
害虫・病気の点検
週に一度、木全体から幹元まで同じ順番で見ます。地植えでは、幹と地面の境目を雑草や厚いマルチで隠さず、一周確認できる状態にします。
- 木全体:傾き、急なしおれ、枝枯れ
- 葉:表と裏の斑点、べたつき、虫
- 幹と地面の境目:穴、樹皮の傷、細かな木くず
- 支柱と結束材:擦れ、緩み、幹への食い込み
台風・猛暑・寒波・雪への備え
| 状況 | 事前にすること | 通過後・夕方の確認 |
|---|---|---|
| 台風・強風 | 支柱、結束、周囲の飛散物を確認 | 根鉢の揺れ、傾き、主枝の裂け |
| 猛暑・乾燥 | 根元の乾きと葉の状態を朝に確認 | 夕方もしおれが戻らない場合は土を確認 |
| 寒波・雪 | 幼木の防風、枝への積雪対策 | 春の芽吹きまで凍害範囲を急いで切らない |